外科|いしざか内科外科クリニック|西京極駅にある内科・循環器内科・外科・血管外科

〒615-0885京都府京都市右京区西京極午塚町135-2
075-315-0810
ヘッダー画像

外科

外科|いしざか内科外科クリニック|西京極駅にある内科・循環器内科・外科・血管外科

一般外科について

包帯を巻いている手

一般外科は、家庭では対応しきれない外傷や良性の腫瘤、腹部の急性疾患などを扱う診療科です。生活上で生じる切り傷、すり傷、やけど、床ずれなどの外傷、動物・虫の咬み傷や陥入爪といった化膿性疾患、腹部の急性疾患である急性虫垂炎や粉瘤(ふんりゅう)・脂肪腫などの良性腫瘤も治療対象となります。

一般外科でよくみられる症状と疾患

  • けが(切り傷、すり傷、皮膚が裂けた傷、咬み傷)
  • やけど(熱傷)
  • 粉瘤 脂肪腫
  • 巻き爪、陥入爪
  • 虫垂炎
  • 鼠径ヘルニア

お悩みや困りごとがありましたら、何でもお気軽にご相談ください。

一般外科の主な外傷と疾患

切り傷

切り傷は縫合が必要かどうかの判断が重要です。縫合の必要な切り傷であっても、受傷してから長時間放置してしまうと、傷口でばい菌が繁殖してしまい、その状況で縫合してもばい菌を縫い閉じ込めることになり、創部が化膿してしまいます。そこで傷口でばい菌が繁殖する前のいわゆるGolden hourでの創処置が重要になります。Golden hourは、顔や頭であれば、24時間以内、からだや手足であれば6~12時間以内と言われています。傷をきれいに治すためには、初期治療が重要ですので、状況が許す限り早めの受診をお勧めします。

すり傷

すり傷は、まず傷口の砂や泥などを水道水で洗い流し、きれいにすることが重要です。石鹸でよく洗うことも良いでしょう。一方、傷口が大きかったり、深かったりするときには、速やかに受診して下さい。治療では、まず傷口を洗い、砂やアスファルト、小石やガラス片などが埋まり込んでいないかを確認します。これらは膿みや黒茶色の傷あとの原因になるので確実に取り除きます。このような手当てで、いったん傷口は出血したり、痛々しくなったりしますが、とても大切な治療です。

打撲創(挫滅創)

打ち身(打撲)など強い力が加わることで生じる傷で、交通事故や転倒、スポーツ競技などで多くみられます。出血が多く認められる場合は、速やかに受診してください。治療では傷口についた砂利などの汚れを落とし、できるだけきれいに縫合します。砂利などの異物の除去は、受傷後早ければ早いほど良いといわれています。その後は、塗り薬による外用療法や創傷被覆材を用いた治療を行います。骨折が懸念される場合は、レントゲン検査で確認します。

咬み傷

咬み傷は、犬や猫に噛まれることで生じる傷です。咬み傷の特徴は、感染のリスクが非常に高いことです。細菌感染だけでなく、狂犬病や破傷風などの感染症のリスクもありますが、内部に深い損傷があることが多いため、適切な処置が必要です。咬み傷の治療では、まず傷口を流水で十分に洗い、異物や汚れを除去します。そして消毒を行い、必要に応じて抗生物質を投与します。狂犬病や破傷風の予防接種が推奨されることもあります。傷口が深い場合や、出血が止まらない場合は、縫合が必要になることがあります。

熱傷(やけど)

やけどは、皮膚に高温の液体や固体が一定時間以上接することで生じるもので、火炎や爆発などでも起こります。また、比較的低い温度(44~60度)で生じる低温熱傷もあります。この他、薬品(酸、アルカリ溶液など)による化学熱傷や電流(家庭電源、落雷など)による電撃傷などもあります。 原因としては、やかんやポットのお湯、てんぷら油、お茶やコーヒーなど高温液体によるものや、アイロンやストーブなど熱性固体の接触が多く見られます。幼児の熱傷では炊飯器やポットの水蒸気の噴出口や、ヒーターの吹き出し口に触れてしまうケースが増えています。 やけどをしたら、流水で15~30分程度しっかり冷却することが大切です。衣服を着た状態の場合は、衣服の上から冷やしましょう。水ぶくれがある場合は出来るだけ破らないようにしましょう。放置すると水ぶくれが破れて細菌感染することもありますので早めの受診をお勧めします。

巻き爪、陥入爪

巻き爪は、爪が横方向に曲がり爪の下の皮膚をつかむように巻いている状態をいいます。陥入爪は爪の両端から爪が皮膚に食い込むことで炎症や腫れ、疼痛が生じます。傷が化膿してしまうこともあります。巻き爪と陥入爪が合併して起こることも少なくありません。 予防には正しく爪を切ることが有効です。食い込んでいる爪を斜めにカットすると、爪が伸びるときに再び食い込むため、爪の角を残してカットすることをお勧めします。また、靴の選択や足の衛生管理などフットケアも大切です。早期治療を望まれる場合や、爪矯正などの保存的治療が無効な場合には手術をお勧めします。

粉瘤(ふんりゅう)

一般的に「脂肪のかたまり」と呼ばれる病気で、体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍です。皮膚の上皮成分が皮内や皮下に落ちて袋を形成し、その中に垢や脂がたまってできた固まりが粉瘤です。多くは数ミリ程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。皮膚が破けると膿汁と臭い粥状の固まりを排出します。膿を出そうと無理に圧迫すると、袋が破れて脂肪織内に散らばり慢性化してしまうこともありますので、内容物を無理に排出することは避けて早めに受診してください。

脂肪腫

皮下に発生する腫瘍の中では最も多くみられる良性の腫瘍です。皮下組織にみられる浅在性脂肪腫と、筋膜下、筋肉内、筋肉間にみられる深在性脂肪腫があります。20歳以下には発症することはまれで40~50歳代に多くみられます。女性や肥満に多いといわれています。背部、肩、頸部(くび)などに現れることが多く、上腕、でん部、大腿など四肢にもみられることがあります。痛みなどの症状は無く、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして認められます。大きさは数ミリ程度の小さなものから直径が10センチ以上に及ぶものまで様々です。治療は手術による脂肪腫の摘出で、再発することはまれです。

急性虫垂炎(盲腸)

大腸の起点である盲腸(もうちょう)についている虫垂突起が炎症を起こす病気です。いわゆる“盲腸”という名称で広く知られています。2、3歳の幼児期から小中学生、20代くらいまでの発症率が高く、男女を問わずどの世代にも見られます。成人では右下腹部の痛みがよく知られていますが、小さな子どもは最初から出てくるとは限らず、ふだんより元気がない、機嫌が悪い、食欲が落ちる、といった症状から始まることもあります。炎症が進行すると、腹痛以外にも発熱や嘔吐といった症状が起こるようになってきます。 炎症の強度により虫垂炎の重症度は大きく変わるため、身体所見や血液の炎症反応、超音波検査などの所見を総合的にみることが必要です。治療も進行度によって変わりますが、炎症がそれほど進んでいない場合、手術ではなく、点滴や投薬、食事制限などで保存的に治療されることもあります。

鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)

鼠径ヘルニア(脱腸)は、腹腔の内容物(腸管や脂肪)が、脆弱した腹壁部分から飛び出し、皮膚下に脱出して瘤(こぶ)を作る病気です。左右の太ももの付け根部分(鼠径部)に瘤ができ、押すと戻ったりします。不快感や違和感、痛みを伴うこともあります。原因には先天性と後天性があり、先天性の場合は、生まれつきヘルニア嚢(のう)が存在するため乳児期から発症します。後天性の場合は、立ったり座ったりといった慢性的な鼠径部への圧力に加え、加齢で組織が脆弱化することによって発症すると考えられています。 瘤が押して容易に戻る状態であれば緊急性はありませんが、脱出した部分が戻らなくなることがあります(嵌頓:かんとん)。この状態を放置すると腸が虚血(血流の減少、あるいは途絶えること)状態となり、腸閉塞や腸の壊死を起こすことがあるため、早めの処置が必要となります。鼠径ヘルニアは構造的な問題であるため、自然に治癒することはなく、根治には手術が必要です。